Youtubeの新しい規制で、キッズ向けYoutuberは全滅する

かなり面白い話なので、自分の知識を整理するためにも記事を書く。 エアってる部分もあるかも知れないが、それはご容赦いただきたい。

キッズ向けユーチューバーは終わる

突然だが、

多くの大型Youtuberが終わるかも知れない。

  1. なぜか。彼らが狙っているのは、キッズだからだ。
  2. なぜか。キッズ商法は視聴数がとれるからだ。
  3. なぜか。キッズは時間があるし、頭が弱いからだ。

参考: キッズ・子供向け動画は爆発的に稼げる!その理由は「再生数」を狙えるから!?徹底的に解説!

YoutuberのKUNなどは、彼の視聴者のことを「KUNキッズ」などと呼び、頭の弱い子供たちを食い物にしている と言っても過言ではない。 はじめしゃちょーやヒカキンなども同じだろう。ヒカキンのキッズはヒカキッズと呼ばれるようだ。 まともな精神年齢をしている大人ならば、彼らのチャンネルを見て面白いとは思わないだろう。 むしろ不愉快と思うはずだ。 私は、吐きそうになる。

今後、Youtubeは、子供向け動画に対してターゲティング広告を行わないことにした。

また、これも影響が大きいが、コメント機能も利用出来なくなる。 これは、以下に述べる情報取得とは無関係に、あらゆる害から子どもを守る意図だろうと考えられる。

Youtubeは子どもの情報を無断で取得していて怒られてしまった

なぜか。なぜYoutubeは子ども向け動画のターゲティング広告をやめるのか?

ターゲティング広告を行うためにはユーザの情報が必要である。 子供向けの動画に貼る広告は、子供の情報が必要である。 従って、Youtubeは子供の情報を勝手に取得していたことになる。

これが連邦取引委員会というところに怒られて、180億円ものお金を失った。 これはグーグル傘下のYoutubeにとっても、小さなお金ではない。 プログラマ180人分の年間給与といえば、ふつうの企業でも大問題だ。

Youtubeが違反した規約をCOPPAという。 これは、Children’s Online Privacy Protection Actの略であり、 簡単にいうと、ネット上でのさまざまな害から子供たちを護りましょう というものである。

リアルには、1989年に子どもの権利条約というものがあり、 子どもが生きて、学び、成長することを護りましょうという条約があって、 まぁこれも全く守られていないのが現実なのだが、 とりあえず1998年に、このネット拡張版として生まれたのがCOPPAである。

ただし、対象年齢に違いがあるようで、子どもの権利条約は18歳未満を子どもと定義するが、 COPPAでは13歳未満である。 今後どうなるかはわからないが、定義する年齢には違いがある。

Youtubeは今後、子供の情報を取得しないから、 子供向けにターゲティング広告をすることが出来なくなる。 これは典型的なケースでは、子供と一緒にお母さんがYoutubeを見ていて、 広告として出てきたおもちゃをほしいほしい言って買うという経路が 消失するということである。 おそらく、子ども向けに広告を出していた広告主などは撤退することになる。 おもちゃとか、お菓子とかその類だ。 実際に見たことはないけど。

もしユーザの個人情報がなくとも、 そもそも動画がどういうものか、チャンネルがどういうものかはわかるのだから、 ある程度、狙い撃つことは出来るのではないかと思うが、 やはり個人情報がないときっついということなのだろう。 でないとわざわざターゲティング広告なんていう言葉は生まれないでしょうから。

今までの2倍の広告を出さないと 同じ売り上げに繋がらないとなれば、 広告主は引いていく。

今後、Youtuberはどうなるか?

さて、Youtubeは全Youtuberに対して、 保有する全動画に対してそれが子供向けかどうかマークすることを要求している。 とはいえ1つずつポチポチするのはかなり時間がかかるだろうから、 チャンネル内の動画全部を一斉にマークして、 それからぽちぽちと差分だけ変更していくという方法も提供している。

しかしここで問題なのは、 その申告が嘘であると判断された場合、チャンネルBANなどの措置が行われるということだ。 ではなぜYoutubeは嘘であると判断出来るかというと、 彼らはお得意の機械学習を使い、動画内容からそれが子供向けかどうか判断する。

だから、Youtuberは、機械学習によって嘘と判断されないように、 かなり保守的にマークをする必要がある。 結局、1つ1つ慎重にチェックする必要があるのだ。

動画に対する通報でも「これは子ども向けコンテンツであるのに嘘をついている」という 項目が出てくるだろうから、絶対にこれは子ども向けではないと主張出来るもの以外は、 全部セーフサイドに倒して子ども向けと言う必要が出てくる。

そうして、一切のターゲティング広告は行われなくなる。 Youtubeアドセンスの強みはターゲティング広告だから、これによりYoutuberの 収益はダメージを受ける。

なぜ保守的に行う必要があるかというと、 Youtubeは、こういう時、false positiveを恐れないからだ。 彼らは、広告主を守るためにはなんだってする。 広告主だって、COPPAに違反した情報収集によって自分たちの広告が貼られることは 望まない。 だから、1%でも黒ならば、子ども向けと判断する。

どういうジャンルは危ないか

この基準はどのようになるだろうか?と、エアで考えると、 私は、マイクラやゲームの類は全部子供向けと判断されると思う。 カウンターストライクなどコアなゲームでも、子供向けと判断されると思う。 なぜならば、欧米では小学生の子供がカウンターストライクをやることはわりと一般的だからである。 これが子ども向けの定義が5歳未満ならまだしも、13歳未満ならばゲームは危ない。

人気のフォートナイトなども引っかかってくる。 実際に、FPSなどは少しずつ広告がつかなくなってるという話は聞くが、 今後それはより顕著になるし、万が一子供向けでないと申請した場合には、ストライクされる可能性がある。

だから、ゲームの収益で稼いでるYoutuberは少なくとも、全滅する。

残念なのは、教育系だ。子ども向けの教育番組を作ってるYoutuberはどうなるのか? これが唯一気になっている。 引きこもりの小学生向けに勉強を教えるYoutubeチャンネルは死ぬのだろうか。 そんなバカな話があっていいはずがないが、今回の規制をそのまま受け取ると、そういうことになってしまう。

何が残るか?

ラジオ系は生き残る。

本当に残念だ。もしアドセンスが生きていたら、GAAラジオでYoutubeの覇権をとることが出来ただろう。 新世界の王になれた。

高校受験以上を狙った教育チャンネルも生きる。

政治系、時事ネタなども生きるだろう。

フィットネスその他のスポーツも大丈夫だろう。

ほとんどのチャンネルは生きる。 しかし、バカなことをして注目を集めるというのがYoutuberなら、 それに集まるのは子どもであり、人気のあるのは多くの場合、子ども向け動画である。 これは冒頭にリンクした記事の通りである。

こいつらが死ぬならば、Youtuberは終わりと言ってもよいだろう。

子どもたちの将来の夢ランキングにYoutuberが上位に来ているようだ。 しかしここでいうYoutuberというのは、彼らが見ている番組のようなYoutuberのことであり、 まさに子ども向け動画を作っているYoutuberのことである。

この意味でも、Youtuberはもう終わりだ。

将来の夢がYoutuberなんて子がいたら、 そんな夢は、COPPA微塵に砕いてあげなさい。

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