茨城の阿見にある予科練平和記念館に行ってきた。 土浦駅から30分に1本間隔でバスが出て、最寄りの阿見坂下まで15分程度で行ける。 入館料は500円だった。 本当に面白いので一度行ってみてほしい。 おれは飽きずに2時間も滞在してしまった。
おれの母方のじいさんは予科練出身だ。 北海道の田舎から予科練に志願して、 土浦の予科練にいたという。 幸いにも特攻には至らず、終戦は韓国で迎えた。
じいさんは甲種13期という比較的終戦に近いところでの入隊だったため、 同期では死亡したのは1割未満だったようだが、 少し前の10期とかになると7割くらいは死んだようである。 これは、戦闘での死亡の他、戦争末期に行われた 特攻隊での戦死も含まれている。
予科練は優秀な戦闘パイロットを育てるための訓練機関だが、 戦闘機というのは簡単に乗れるものではない。 そのため、予科練の選抜試験は非常に厳しいものだった。 一次試験の学科としては数学(幾何、代数)、理科、地理、英語が課され、 二次試験では体力試験、健康検査(視力1.0以上必須)、知能試験などが課された。
平和記念館には予科練の試験問題が展示されていた。 幾何の問題を以下に載せておくので解いてみてほしい。 数学の試験は幾何が2時間で5問、代数も2時間で5問。 かなり骨のある問題が出されたようである。 英語の問題もあったが、 おれにとっても ぱっと見では読めないようなレベルだった。 予科練の試験は甲種の場合、中学卒業あたりの年齢で受ける。 こうして、全国から文武両道の精鋭が集められ、 超絶スパルタ教育によって戦闘員に育てられあげられた。 数学と理科については大学の教養レベルの内容が叩き込まれていたようである。
特攻隊の遺書が泣けるのは、彼らに知性があるからだろう。 知性があるからこそ、真に国のためを思って散っていったことが 伝わってくるのではないだろうか。