筋トレは骨格を意識しろ

筋トレ初心者によくありがちなのは、重いものを持ち上げることだけにこだわっており、身体の反動を使ってアームカールをしていたり、ベンチプレスならトップサイドだけでやっていて胸には全く効いていなかったりする。これは、重さにこだわってるという見栄っぱりな部分もあると思うけど、「重いものを挙げる」ということに意識が行ってしまってる結果だと思っている。

我々の目標は筋肉に、筋肥大に必要なシグナルを与えることだったはずだ。そのためには、目的の筋肉をアイソレートさせることが有効だ。アームカールであればアームブラスターを使ったり、プリーチャーカールベンチを使ったりして、身体の反動が使えなくしたりする。上腕二頭筋のトレーニングでも、前腕が疲弊していくことがボトルネックになりがちだから、上腕二頭筋を出来る限りアイソレートすることで軽い重量で十分な刺激を得ることが大切になってくる。

ではどういう意識を持てばいいのか。意識には3つの種類があると考えられる。

  1. 重いものを挙げる
  2. 骨格を動かす
  3. 筋肉を動かす

このうち、もっとも悪いのは1だ。これは上で述べたとおり。では骨格を動かした結果として筋肉を動かすのと、筋肉の動きそのものに意識を置くのはどちらがいいのか。

おれは、骨格だと思っている。つまり、「こういう動きをする」という意識を骨格のレベルでもつことによって、結果として筋肉が動き、結果としてバーベルないしダンベルが挙がるというのが望ましいと考えている。特に、コンパウンド種目であればあるほど、この意識が重要になり、アイソレート種目でも筋肉に意識を置くのは間違ってるというかナルシズムでしかないと思っている。例えばアームカールをするにしても、上腕二頭筋に力を入れるというよりは、腕を曲げるということにフォーカスした方がいい。あるいは、前腕をこういう軌道で上腕に近づけていくという意識でもいい。

この意識を持って筋トレを行うことは、筋トレによって他のスポーツの成績を伸ばしたい場合に特に重要になってくる。例えば跳ぶことを考える。跳ぶ時に必要なのは、股関節を速く伸展することだ。これは骨格レベルの意識であって、筋肉の話ではない。筋肥大だけが目的であるという場合も、筋肉に意識を置いてしまうと出力を出すことは難しいことはやってみればすぐに分かる。例えば、胸のトレーニングをある程度やれば胸をピクピクさせることが出来るようになるが、筋肉に意識を置いて出来ることというのはその程度の出力でしかない。

また、ある程度高レベルの概念である骨格に意識を置くことによって、常に同じ動きをしやすくなり、怪我のリスクも減る。筋肉というのは骨格に比べると低レベルの概念であり、これをすべて把握し続けるのは人間には難しい。これはソフトウェアをメタファーにすれば理解出来る。

筋トレをする時は、自分が今どういう姿勢をしているか、それをどう動かしたいか。これを常に意識しろ。バーベルはたまたま背負ってるに過ぎない。バーベルを動かすことが目的ではない。バーベルによって負荷がかかっている状態で、普段どおりに骨格を動かせるかどうかが試されていると考えろ.

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