私は、年少期に親に自閉症を疑われ、(証拠はないものの)いくつかの診察を受けたとのことだが、その結果は自閉症ではないとのことだった。
しかしその当時(20年前)は、自閉症がこれほど一般的なものだとも思われていなかったし、実際に、自閉症と判定される人の数は増加している。私は自身をアスペルガーではないかと疑っており、年少期よりの気質などあらゆることが、最近読んでいる本に書いてあることと完全に合致しており、疑いは確信に変わっている。もちろん、プログラミングに興味をもち、明らかな適正を示している点も含む。私は知らない人間の後ろに並んで何ヶ月も待つのは屈辱的で嫌なので、私の診察を優先してくれる診察機関があるならば、診察を受けるつもりである。
私は社会で何度も問題(ここでは社会が問題と思うことを問題であると定義した)を起こしてきたわけであるが、よく考えれば、むしろ自分の気質を理解して、コントロールすることはむしろ得意なことだということに気づき、今はアスペルガーについて勉強している。その1つがこの本だ。
この本は、アスペルガーがなぜ起こるかという脳の仕組みやホルモンなどにまで言及した医学的な論拠も含め(アスペルガーには超男性脳仮説というものがあるとご存知だろうか?ようするに、高テスはアスペになりやすいということである)、アスペルガーについて幅広く、そして決して浅くなく解説しているわけであるが、アスペルガーの人間がどういう気質であり、周りの人(これは広義では自分も含む)はどういう配慮をすれば良いかということを解説している章が特に良く、私はこの本を、人間の親のみならず、IT系のマネージャ(人事なども含む)なども一度読むべきだと思う。アスペルガーの人間をうまく働かせれば、凡人には到達不可能なほど抜群の仕事をする可能性があるからだ。そして、この本を読めば、アスペルガーという気質がいかに単純であり、実は却ってコントローラブルなものであるかが分かると思う。私はフリーランスで働く上で、自分のことを管理する必要があるわけだが、そういう視点でもこの本を読んでいる。
私の尊敬する開発者であるデイビッドカトラーの名言に、“That wasn't a view I share"があるわけだが、彼は典型的な高テスであり、自分の視点を重視したことがこの発言より伺えるから、彼もアスペルガーなのかも知れない。事実、OSにこだわり、異常な能力を発揮している。だとすると、彼に特権を与えて邪魔をしなかったゴードン・ベルやビル・ゲイツはアスペルガーの扱いを知っており、シリコンバレーがITで栄えているのは、アスペルガーの扱いを学んでいる人間がマネージャになってるからではないだろうかという仮説が立てられる。実際に、シリコンバレーの自閉症率は平均より遥かに高く、10%であると言われる。データを重視するシリコンバレーの文化からして、自閉症・アスペルガーをいかにして扱うかはおそらく、マネージャとしてやっていくための必須スキルになっているのではないかと想像する(もちろん、そんなこと公表されるわけはない)。実際に、“Sillicon Valley Asperger"で検索するだけで、アスペルガーがシリコンバレーにおいて非常に注目を受けていることが伺い知れる。