この前、スタイルズ荘の怪事件を読みましたが、今回はアクロイド殺しを読みました。英語名はThe Murder of Rodger Ackroydです。
アクロイド殺しというのは「アガサ・クリスティの問題作」と呼ばれていて、有名なABC殺人事件やオリエント急行よりもオススメしている人がいたりと、とても興味があり、読んでみました。
読んだ直後の自分の感想をいうと
- こんな結末を考えるアガサ・クリスティは発狂している
- もしこの小説を読まずに死んでいたら確実に後悔していた
です。
あらすじ
世界的な名探偵エルキュール・ポワロは、探偵業を引退し、イギリスの小さな村「キングズアボット」でかぼちゃ栽培を始めることにしました。 もう難事件とは関わらず、田舎暮らしで悠々自適に過ごそうと思っていたのです。 周りの住人にも、ポワロとは知られておらず、「ポロットさん」として認識されていた。
物語は突然、フェラーズ夫人という莫大な遺産を持つ女性の死から始まります。 かけつけたシェパード医師は、その死を睡眠薬の過剰摂取による自殺であると診断します。
その土地には富豪のロジャーアクロイドがいた。 シェパードは村唯一の医師とあって、多くの人から慕われていたし、アクロイド氏にもそうだった。 フェラーズ夫人の死亡の翌日、アクロイド氏から突然「今すぐ話したいことがあるから屋敷に来てくれ」 と言われる。しかし診察が忙しく、今すぐは無理だと告げると、「ではディナーに来てくれ」 ということになる。
ディナーを済ませると、アクロイドはシェパード医師を自分の書斎に連れていき、 真剣な顔である告白を始める。アクロイドは未亡人となったフェラーズ夫人に求婚した際、 フェラーズ夫人から、彼女が自分の夫を薬殺したことを告白されており、 それについて戸惑っていた。「私は殺人犯を好きになってしまった」
と同時に、アクロイド氏は、フェラーズ夫人の自殺理由についても聞かされていた。 それは、フェラーズ夫人が、自分の夫を薬殺したことをある人物に知られており、 その人物から脅されて金を巻き上げられていたということだ。
その時、秘書が一通の手紙を書斎に持ってくる。 それは、フェラーズ夫人が自殺前に書いた手紙であった。
「愛するロジャー」から始まるその手紙は、 フェラーズ夫人を脅迫していた人物の名前を告げるものだった。 アクロイドは、シェパード医師の前でその手紙を読み始めるが、やがて 「これは私向けに書かれた手紙だから、ここを出ていってもらえないか」 と言い出す。 シェパード医師は秘密を共有してしまった以上名前を知る権利があるとして 食い下がるが、アクロイドは断固として、部屋を出ていってくれとお願いする。 シェパード医師は仕方なく、部屋を出ていった。
そしてその夜、ロジャーアクロイドは死体となって発見される。
オススメです
アクロイド殺しを読んでいない人をまともな人間と見ることはもう無理なので、この後、アクロイド殺しを読んでいない浅い人間とは関わらないことにします。どうやってもアクロイド殺しにたどり着けない人間はきっと、何もやってもダメです。意味ないです。
この前、パーフェクトヒューマンがマクベスのレビューをしていた時に、「どんなギャグも、10年後には覚えられていない。100年も語り継がれるのは、それだけの価値があるからだ」と言っていました。そのとおりだと思います。アガサ・クリスティの小説は累計で20億冊売れています。そのアガサ・クリスティの名作が「アクロイド殺し」です。
どんな証言も疑い、そこに一本の筋道を立てるポワロの推理に酔いしれるのは当然として、
「それは、(犯人の名前)、あなたです!」
の瞬間、「このベルギー人は何を言ってるんだ・・・」と錯乱します。読者の誰ひとりとして、この犯人を疑った人はいないでしょう。
トータルで400ページとまぁまぁ長いですが、ぜひ読んでみてほしいです。