首都圏の中学受験には御三家という高みがある。 男子は開成・麻布・武蔵、女子は桜蔭、女子学院、雙葉。 競馬でいえば、牡馬三冠(皐月賞、日本ダービー、菊花賞)、 牝馬三冠(桜花賞、オークス、秋華賞)のようなものだろうか。
桜蔭というのは、女子御三家のうち最難関の学校だ。 桜蔭に受かるということが女子学生にとってどれほど悲願であるかは、 合格発表の様子を見ればわかるのではないだろうか。
発狂している。 まるで競馬だ。そう、中学受験は競馬のようなものなのだ。
中学受験は課金ゲーなのか?いや、ギャンブルである2021日7月7日、 その女子生徒は、桜蔭学園の5Fにある生物室の窓から飛び降り、 自殺したのだ。
自殺そのものについて評価すると、 おれの自殺法に関する記事によると、 飛び降り自殺を確実に行うためには8Fの高さが必要であり、 今回は5Fということだから、あわよくば未遂に終わっていたところで、 人生の最後だけは、相当運が良かったことになる。 この点については良かったと思う。
完全自殺マニュアル「飛び降り」編さて、中学受験生の中の頂点の戦いに勝利し、 発狂するほど喜んだはずなのに、彼女に一体何があったのだろうか。
おれはこの自殺に対して、
- 高知能故の問いの発生
- トップ校の重圧(鉄緑会通塾率を比較)
という観点で話をしたから、まずは見てほしい。
これに続けて話すと、 今回の自殺については中学受験生に対する心理的な影響もケアしなければならない。 ということは誰でもわかるから、おそらく親も塾の先生も桜蔭で自殺があったことは隠し通そうとするはずで、 おれはそういった隠蔽が嫌いなので、どうにかして受験生の目に届くよう、 こうやって必死に動画を作ったり、記事を書いたりしているわけである。
冒頭に、御三家というのは高みであり特別なものであると述べたわけであるが、 御三家を志望する中学受験生にとって、その先輩は憧れの存在となる。 二月の勝者という漫画で柴田まるみが女子学院を目指すきっかけとなったのは 女子学院の先輩と話したことがきっかけだったわけであるが、 おれにしても、麻布中学を志望するに当たって、ちょうど小学校の先輩に麻布に進学した先輩がおり、 その先輩に追いつくことが大きなモチベーションとなっていた。
では、仮に、その先輩が麻布中学で勉強を苦にして飛び降り自殺をしたと知ったらどうだったであろうか。 間違いなく、麻布を受けはしなかった。 では、仮にその先輩ではなく、他の麻布生が同様に飛び降り自殺をしたと知ったらどうだったであろうか。 きっと同じだったと思う。 それは、学生が自殺するような学校に失望したという理由ではなく、 その自殺した学生に自分を照らし合わせて、自分も自殺すると思ってしまうからだ。 高偏差値の人間にはわりとこういったカミーユ的なところがある。
1986年、岡田有希子というアイドルが飛び降り自殺をした後、後追い自殺が社会問題となった。 桜蔭というのは、中学受験生女子にとってのまさにアイドルであり、 桜蔭生が自殺したという事実は、特に桜蔭を志望する女子にとっては衝撃的な事実となるはずで、 受験まであと半年という重圧も合わせて考えると、後追い自殺が起こってもおかしくないだろうと思っている。 まぁ、心の弱いやつはどうせ本番でも落ちるから結果は同じだろうが。