どうも。底辺の者です。
仕事にあまりに疲れてこのままでは鬱になりそうなため、休暇をとって、3泊4日で登別に行ってきた。もちろん一人だ。 というかおれはもし家族がいたとしても、一人で旅行したい太郎だ。
旅行は良い。脳をリフレッシュするには非日常を体験することが一番良く、それは麻薬パーティでもなんでもいいだろうが、 安全かつ合法なのは旅行だ。行ってない場所、わけのわからない場所に行ってみると良い。
おれは小さい時に北海道に住んでいたこともあり、小樽とか、阿寒湖だとか右サイドも含めて 北海道は結構旅行した気がするが、そういえば登別には行ってなかった。 稚内や知床も良いと思ったが、11月になるととんでもなく寒いため却下。登別の温泉でゆっくりすることとした。 自明だが、湯は本当に良かった。
早速だがいくらかかったか。おれの払いは、旅行地での食事も含めてたった3万だった。 3万で、飛行機往復と宿3泊がまかなえてしまった。 宿も決していいところではないが、男が一人で旅行する分には十分だ。
旅行にはクラブツーリズムの添乗員なしツアーを使った。 こういうツアーは楽だ。飛行機も宿も全部とってくれる。 時間どおりに身体を動かせば、飛行機やバスに乗り遅れることもないし、 うっかり宿を予約し忘れていたなどということも起こらない。 アスペ向きだ。 加えて今回は、GoToの申請をツアー会社側が一括で行うため、 自分で申請する手間を省けるという利点もあり、非常に助かった。 もし、自分で還付金を申請するとなると、 めんどくさくなって、絶対にやらないに決まっている。 おれはそういう人間なんだ。
冬の北海道は人気がなく、費用が4万5000円ほど。 それで実際の支払いが3万ほど。さらに、GoToクーポンが7000円だかもらえた。 このクーポンは行きの羽田空港で渡された。
この7000円は、全部使い切った。 クマ牧場の入場券が2960円で、3000円でお支払い。 登別のジンギスカン肉6枚セットが旅行地価格で1980円。これは2000円でお支払い。 あとは、噂のセコマのホットシェフで昼飯を買って1000円、帰りの千歳空港で1000円。 完全に使い切った。
クーポンについては、ふつうだったら肉6枚で2000円のGoToセットなんか食わないだろうけど 食ったわけだから、払いっぷりがよくなるという意味では消費に大いに貢献すると思う。 ペラペラの紙なので、こども銀行が発行したお金のようにしか思ってなかった。 一方で、問題としては、GoToクーポン対象外の店で食事しにくくなるというデメリットがある。 あとは、セブンイレブンだとかドラッグストアだとか、さほど地域性の高くないところでも 使えてしまうのは問題だと思った。もちろん、それでも地域の経済には貢献することになるのだが、 フランチャイズの場合、本社はどうせ東京にあるわけなので結果的には東京の利益にもなってしまう。 心情としては、地域限定のお店に限定してほしかった。
現地での行動はフリーなわけだが、 おれとしてはとりあえず鬱を治すことが最優先なわけであり、 部屋でゆっくりするか、あるいは自然の中を散歩などすればそれで十分という感じであった。 登別駅まで出ると室蘭本線で室蘭や苫小牧に行くことは出来るのだが、忙しい。 そもそも、登別駅から登別温泉街まではタクシーを使わないと出られないような距離であり、 そこまでしたくはないのだ。 しかし結果としては、登別駅に出るような余裕はなかった。
1日目は14時30分のJAL519便に乗り、16時に新千歳着。 それからあやうく迷子になりかけたが17時発の送迎バスに乗り込み、 きっかり1時間で登別温泉着。 新千歳から行きも帰りもきっかり1時間というのがポイントが高い。 正直、バスで2時間3時間というのは、しんどい。 新宿から温泉バスで伊香保へ2時間半、草津に4時間で行けるのだが、 草津に関しては一度行った時にあまりにつらすぎてもう二度と行く気が起きない。 隣がいなきゃまだいいのだが、そうでない場合、苦痛でしかない。 バルクがあることが裏目に出ることがたまにはある。
そう、良い忘れたが、行きで羽田空港に着くまではひと騒動あった。 その頃、ちょうど、横須賀当たりで京急線が人身事故を起こしたとかで、 品川から蒲田までの間が運行休止になっていたのだ。 おれは、日本橋まで出てから京急で羽田に行こうと思っていたので大慌て! になるとかと思いきや、36にもなると少しは大人の落ち着きが出てきたのか、 じゃあ浜松町からモノレールで行けばいいかということになり、無事ことなきを得た。 いつもとは違ったことをしたため逆に得した気分にすらなったくらいだ。 中学受験エリートの純粋培養人間はこうやって大人になっていく。
2日目。この日は天気が良かったため予定通り地獄谷とクマ牧場へ。
地獄谷は、ただ臭いだけ、ただ煙が出てるだけで何も面白くなかった。 他の人は記念撮影をしてはしゃいでいたが、すごいけど、温泉地だったらこんなの どこでもあるくらいのもので、例えば箱根の大涌谷(おおわくだに)とかもそうだし、 別府なんかも煙がモクモクしてて、別府地獄めぐりだとか言われる。 温泉地はどこでもそうだ。というか逆にそうじゃなかったら温泉出ないだろ。 おれは何かおかしいことを言ってるのか?鬱で感情を失ってしまったようだ。
クマ牧場は一転、くっそ面白かった。 クマ牧場にはクマがいて面白いのは当然として、 クマ博物館というのもあって、クマの生態だとか人間とクマの歴史だとかが 学べて、高IQ人間のおれとしてはとても楽しめた。 中でも面白かったのは、クマ牧場のボスの歴史であり、 それぞれのボスの個性が書かれており、 ボスにはなったけど気が弱くて1ヶ月で病気になったやつとか、 暴力によってボスにのし上がったけど、すぐにボスから引きずり降ろされたやつとかがいて、 人間ドラマのようだった。
もう1つ面白かったのは、クマ博物館の3階にある展望台から見える 倶多楽湖であり、これは日本一丸い湖として知られる。 本当に丸かった。てゆうかカルデラ湖なんてものは大体丸いんじゃないかと思うが、 実際に見てみると感動した。
3日目。2日目で登別の観光地はすべて見尽くしたのでもういいやと思ったが、 一応、北を攻めることにした。 山道を歩いていくと、大湯沼というところに行くことが出来るのだ。 しかしこれがやばかった。その日は夜に雪が降り、宿を出た時には雪は止んでいたが、 ところどころ地面が凍っていた。 一方でおれの履いていたのはニューバランスのスニーカーであるから、 凍った地面の前には無力。これで何度かヒヤッとしたが、 一歩一歩確かめながらどうやら大湯沼にもたどり着くことが出来た。 これもすごいといえばすごかったけど、感動は苦労してたどり着いた効果によるもので、 客観的な評価としてはそりゃそうだろ程度のものでしかない。 それよりも、大自然の中を一歩一歩、 大げさな表現かも知れないけど自分の命がまだあることを確かめながら歩いていく、 これはなかなかスリリングなことで、都会にいては味わえないことだ。 3日目は、これで足が筋肉痛になり、温泉で癒やして終了。
4日目は、朝8時に起きて、朝飯を食べ、10時のバスに乗り新千歳へ。 12時半のANA62便に乗り、羽田へ。 ANA Baggage Dropという新システムを体験した以外は何の感動もなく、 羽田につき次第京急線に乗って一直線で我が家へ到着。 ANAは経営状態がやばいので、CAとかも疲れ切ってるのかと思いきや、 残念なことにあまりそうは感じられなかった。 というかふつうに美人CAがいてよかった。
行きも帰りも、待ち時間含めて合計6時間であり、結局草津に行くにしても 待ち時間を合わせるとそのくらいにはなるものであり、意外に近いなという印象であった。 その意味でもおすすめだ。
今、北海道はコロナが大変で、 あの人口密度の低さにも関わらず一日に200人も感染者を出すなど、 クラスタが多発している状態で、 もう少し感染が蔓延すれば、頼みのGoToからも外されてしまうぎりぎりの状態だ。 コロナ対策は、東京よりも厳格で、どこ行っても消毒をお願いしますと懇願される。 マスクをしていないのは街中でおれくらい。 メガネが曇って却って危ないと思ったので マスクをせずに歩いていたら、「マスクしてない!!!」と 道民っぽいおばあさんがおれに聞こえるように言ってきたくらいだった。 村社会は恐ろしい。
道民にとっては、GoToによってコロナは増えるけど、GoToがなければ 自分たちが死んでしまうというギリギリの状態なのだ。 どのくらい必死かというと、彼らは宿が潰れてしまったら死ぬしかない。 なぜかというと、北海道には他に仕事なんかないからだ。 東京とは違い、田舎には仕事がない。もし失職してしまったら、 文字通り人生終わりだ。
北海道単体でも、道民割とか言って、北海道の中でお金を回す施策を打っていて、 実際に札幌ナンバーや函館ナンバーの車もあったわけであり、 それ自体もコロナの蔓延に貢献してしまっているけど、 それでもお金を回さないと死んでしまう。 「お願いします、コロナ対策に協力してください。そうしないと私たちは死んでしまいます」 そんな悲壮感が伝わってきた。それが唯一、このGoTo旅行の楽しくなかったところかな。