【二月の勝者】松村くん。全落ちの絶望

二月の勝者は、昨年の中学受験から話が始まる。 その年の桜花ゼミナールには松村くんと森さんというツートップがいて、 松村くんの志望校は、おれの母校の麻布。

その松村くんはプレッシャーから 試験会場に行く途中に嘔吐。学校に行くと保健室に直行。 保健室で試験を受けるものの、全く実力を出せずに撃沈。

試験の後、塾に戻ってきて絶望して泣いてるシーンがこちら。

失礼かも知れないが思わず笑ってしまった。 戦いに負けて、それを慰めてもらいに塾に来てピーピー泣くような軟弱人間が麻布なんか受かるわけないだろ。

そして同時に思ったのだが、ふつうは親が同伴して学校に行くものではないかな。 もしそうなら、吐いた子供が試験が終わるのを待ってるものではないかな。 慰めにもらいに塾に来ないといけない松村くんが少し気の毒に思った。 もしかしたら島津くんみたいな家庭の子なのかも知れない。

ところで、この「全落ち」というのがこの漫画の中では度々キーワードとして語られる。 中学受験においてとても重要な概念だからこのセリフの中でもわざわざカギカッコでくくられているわけである。 全落ちという言葉を聞く度に親の顔が引きつり、 最下位R組のゴミどもをやる気にさせたのも、塾の先輩から語られた全落ちの経験であった。

同等の概念として「4日目以降」というのもあり、 これはおれの自作曲「4日目以降は楽しいかい?」の詞にもあるように地獄なわけである。 これも、黒木からチャレンジ校と安全校を組み合わせた受験日程の立て方に関する説明などで語られている。 先述した先輩も、4日目以降に突入したが、後に第2志望校から繰り上げ合格が来て救われたという設定であった。

もっとも、3日まで全勝(麻布・栄光・浅野)して受験終了したおれにはどれも全くわからないんだけど。 どうやら、全落ちし、4日目以降に突入してしまうというのが、とても大変なことのようなのだ。

さて、松村くんは2日の第三志望(巣鴨かどこかだろうか)には受かったが、3日目は筑駒にチャレンジ受験するということが書かれていて、 おそらくそれも不合格。(もし受かってるなら塾長の更迭はないと思うから) 女子トップの森さんも同様に御三家不合格となり、その年は結果御三家ゼロ。 責任をとって塾長は更迭、黒木がフェニックスから移籍してくるというところから物語は始まる。

comments powered by Disqus
Built with Hugo
テーマ StackJimmy によって設計されています。