おれはGAAラジオの方で、将棋業界について才能の極限を見ているとは思わないという発言をした。 その理由は、ドメスティックなボードゲームだからである。 藤井聡太は天才天才と言われているが、おれは、「将棋界の中では」という枕詞付きの評価をしている。 この意味で、世界的に普及しているチェスや、アジアや欧米諸国でも打たれている囲碁の方が 競技人口が多く、才能の極限に到達している可能性が高い。 ボードゲームならチェス、スポーツなら陸上など単純ではじめる敷居が低いものの方が 才能の発掘が容易である。 ここで敷居というのは人種差別も含む。実際に黒人をほぼ見ないスポーツというのも存在し、 その根っこには人種差別があると言われている。 この理論でいうと、 例えば、ウサインボルトよりポテンシャル的に速く走れる人間は世界にはいるかも知れないがおそらく数人レベルだが、 藤井聡太より将棋が強くなれる人間は何万人もいるだろうというわけだ。 おれはせいぜい超難関校の中学校(灘・筑駒あたり)に入学出来る程度だろうと思っているが、 それは天才とは呼ばない。
では、おれが「才能が十分に発掘されている」スポーツとして認定出来る競技は何かというと、 陸上の他、バスケ・サッカー・アメフト・卓球などで、野球すらも怪しい。 その対極にある競技は、 日本でいうとフィギュアスケート、テニスなど。 フィギュアスケートは、資金の問題で途中で断念する子もいるし、 テニスも本気でプロを目指して 日本でやる場合はコート貸し切りが必要など、ある程度の富裕層しか出来ない。 知ってのとおり、松岡修造もおぼっちゃんである。 おれはこの手の競技は、平等性に欠けるからオリンピックで実施すべきではないと思っている。
また、残念ながら水泳に関して黒人選手をほぼ見ない背景には、 黒人は筋肉質すぎて脂肪が少ないから泳ぎには向かないという理由をこじつける人間もいるが、 実際には黒人がプールに入ることを禁じられている人種差別が背景にあるから オリンピックの競技としてはふさわしくない。 水泳選手はこのことをどう思っているのだろうか。 このことというのは「自分たちがやってる競技は人種差別的競技だ」という事実のことである。
このベクトルをさらに延長すると、 金を払って月に行くみたいな人類の科学技術を冒涜した成金行為を除くと、 モータースポーツにたどり着く。
F1レーサーになるためには、カートからはじめて少しずつクラスを上げていくしかないが、 このカートを始められる時点ですでに富裕層であり、 かのアイルトン・セナも資本家の息子である。
セナは地主で工場経営者でもある資産家ミルトン・ダ・シルバとその妻ネイジ・セナ・ダ・シルバの長男であり
どのレーサーのプロフィールを見ても、 「カートを始め」と書いている時点で、住んでる世界が違うと感じる。 あなたの周りにカートをやってる人がどれだけいるだろうか? おれの周りには一人もいなかった。
さて、その限られた競技人口の中で小さな才能が開花して、いよいよF1に挑戦するとなった場合、 シートを獲得するためには大抵の場合「持参金」というものが必要になる。 現在では、F1のシートを獲得する持参金は20億円と言われている。 F1を観戦している人間も富裕層なら、運転している人間も富裕層であり、 あれほど嫌なモータースポーツはない。 オイル以上に金の臭いがする。
F1のバイク版であるMotoGPについても、 持参金が必要で、これはF1に比べるとはるかに庶民寄りだが、 5000万円くらいと言われている。
これでは、真にギフテッドなレーサーを発掘することは不可能である。 しかしその方法はある、モータースポーツをeスポーツでやればよい。
eスポーツならば、 必要なのはコントローラとゲーム機くらいで、 これは合わせてせいぜい20万円。 マシンをクラッシュしても死ぬことはないし、 マシンも壊れないから、本当にギリギリのラインを攻めることが出来る。 もちろん、チームの強い弱いによって勝敗が決するという理不尽もない。 ルールの中で自分が最善だと思うセッティングを追求し、 ピュアに戦うことが出来る。 練習だって、毎日出来る。 MotoGPならば、特殊なコントローラすら必要ない。
eスポーツの市場は伸びてきており、 例えばカウンターストライクというゲームのトッププレイヤーは 移籍金が億を超えるようになってきた。 サッカーなどに比べると1桁か2桁ほどはまだ遠いが、 近づきつつある。
モータースポーツはまだ発展途上で、 優勝賞金がせいぜい100万という市場。 しかしこれからは、リアルは衰退し(実際にF1もだいぶ衰退したきた)、 ヴァーチャルの方が発展していくと予想されるので、 子供にeスポーツをさせるならば、モータースポーツが良いと思う。