偏差値60を出し勢いに乗ると意気込んでいた 春メックで失敗し、ルシファーは狼狽えていた。恐怖からかストレスからか、右手は震えている。(2:50-)
https://twitcasting.tv/fxgodzeuss/movie/678420091
- ママファー「ゆうすけ。ママ買い物に行ってくるから(不明)ちゃだめだよ」
- ルシファー「あーはい」
- ママファー「大丈夫だから」
- ルシファー「あーはい」
- ママファー「絶対次は出来るから」
- ルシファー「あーはい(自信なさげ)」
- ママファー「出来るから大丈夫だから」
- ルシファー「はい」
- ママファー「わかった?」
- ルシファー「わかった」
- ママファー「大きな声出さないでよ」
- ルシファー「うん」
ママファーの愛情に涙が出た。 36歳無職、国試4浪という世間的に見れば白い目で見られても仕方がないような 息子に対してもまだ励まし続ける姿勢にだ。 きっとご近所からは色々と噂されていることだろう。 それでも私だけは息子の味方でいて、信じ続けている。
この日の夕食も美味しそうだった。
大声を出しちゃだめよということは、大声を出すこともあるということだろうか。 あるいはこの前には大声を出していたということだろうか。 わかってるとは思うが、ママファーにだけは手を出しちゃだめだぞ。
ところで、ルシファーは繰り返し「どうしてこんなに難しいんだろう」というが、 おそらく視聴者は全員が「どうしてこうなってしまったんだろう」と思っているはずだ。
河野玄斗が何かの番組で、 臆面もなく自分のことをProdigyと呼んでいて、 「なんやそれ!」とさんまに突っ込まれてたことがあった。 Prodigyというのは神童のことだ。 しかしおれには、中学受験でも聖光(それもたぶん帰国枠) にしか受からなかった雑魚のどこが神童なのか疑問でしかなかった。
一方でルシファーは本物の神童だ。 あの当時(1997年)、まだサピックスは今のようには強くなく、 日能研と四谷大塚の二強だった。 当時のデータがないが、下の図(開成合格者数)を見るとこれが嘘でないことは想像つくだろう。
その最強Nバッグ軍団の頂点に君臨していたのがルシファーだ。
おれは四谷大塚系だった。 四谷大塚にも常にトップのKくんというのがいて、 おれは顔も見たことがないし話したこともないけど、 内心憧れていたものだ。 おれも麻布に受かってるからそれなりに成績は良い方だったけど、 性能がまるで違った。
中学受験をするメリット「世の中にはすごく頭の良い人間がいることがわかる」ルシファーもきっとそういうトップオブトップの神童だったのだろう。 当時、Nバッグを背負った子供はどこにでもいた。 今は明るい青だが、当時はもっと暗い紺系統のバッグで、 街中どこを見てもあのバッグを背負った子供がいるのは一種の社会現象だった。 当時おれが好きだった女の子も、日能研の子だった。 だからだと思うが、おれもあのNバッグがほしいと思ったものだ。
きっと、彼らの中のヒーローがルシファーだった。 顔も見たことなければ話したこともない。 しかし、成績優秀者一覧の中にその名前を見つけると、なぜかホッとする。 それがルシファーだったに違いない。
ある子は夕食の団らん中に突然何を思い立ったか勉強部屋に行き、 戻ってきたら成績優秀者欄を自慢げに開いて「ねえママ、今回も金子くんが載ってたよ!」 なんて無邪気なことを言ってお母さんを困らせただろう。 またある子は「あなたは何でこんなことも出来ないの!!!金子くんを見習いなさい!!!」 と言われて泣きながら勉強をしたことだろう。 会ったこともない金子くんに恋をしていた女の子だっていたはずだ。
ルシファーはその後、首都圏最難関の筑駒に進学。 これすらきっと簡単なことだったに違いない。 そして、驚くことに中1の時に数学オリンピックの予選を突破している。
狂った頭の良さだ。 誰がどう見ても、神童中の神童だった。 神からギフトを授かってしまっている。
日能研で当時、その他大勢だった彼らが、今のルシファーを見たらどう思うだろうか。 失望するはずだ。
彼らをこれ以上失望させてはいけない。 どうしてこんなに難しいんだろうじゃないんだ。 本気で勉強してないのは自分でもわかってるだろう。 本気で勉強すれば、ルシファーの頭脳であれば医師国家試験なんか一ヶ月で受かる。 そういう頭脳を持っているからだ。