【囲碁】PCゲームコミュニティから学ぶ!!9路盤がメインストリームになれば良いのに論

私を含めて学生時代に囲碁をしていた人間が、社会人になってから囲碁を辞めてしまう場合は多いと思います。実は私は、囲碁の対局は見ますし、寝る前に詰碁も欠かさずやるのですが、碁会所に行くことはなくなりましたし、ネット碁でも滅多に打ちません。

その理由は、19路盤の対局は時間が長すぎるからです。19路盤の対局は、時間設定にも依りますが、1時間程度はかかります。囲碁を打つために1時間とる余裕がある社会人はそう多くないと思います。こうして、囲碁は老後の楽しみとなってしまいます。アマチュア高段者の囲碁配信者の方もいますが、彼らも大抵は週末にライブ配信で囲碁をがっつり打つだけです。

これがゲームと比較してどのくらい長いかというと、

  • 人気FPSゲームのオーバーウォッチの1マッチは15-30分です(どちらかというと15分寄り)
  • 人気FPSゲームのカウンターストライクの1マッチは30分から1時間です(どちらかというと1時間寄り)
  • プログラミングコンテストは多くの場合2時間程度です

この中で、週1のプログラミングコンテストに参加することがほとんどのソフトウェアエンジニアにとって敷居の高いことになっています。週1で参加してそれを復習すれば向上心があるとみなされるレベルです。

カウンターストライクはゲームの中ではマッチ時間が長い方で、これが理由でやらない人がいます。カウンターストライクの大会で使われるのは5対5の対戦モードですが、これを2対2にした小規模なモードや、1対1モード、マップ中をうろついて撃ち合うだけのデスマッチと呼ばれるモードなど、時間がない場合でも参加出来るモードがあり、特にデスマッチはカウンターストライクが他のFPSより突出して楽しい部分である撃ち合いにフォーカスしていることから、人気があります。デスマッチというのは囲碁でいうと詰碁のようなものだといえます。ちょうど、囲碁のプロが「囲碁を強くなるためには詰碁をしなさい」というのと同じで、カウンターストライクでも強くなるためにはデスマッチをたくさん行うべきと言われています。同様に5対5は19路盤に相当します。布石のようなものがあり、最終的な目標は陣地を占領することです。

オーバーウォッチというゲームは、ゲーム性自体がカジュアルなこともありますが、時間的にもカジュアルなことが、プレイヤーを集めることに成功している理由だと考えます。ゲーム性自体には批判があるのですが、マッチがたった15分で終わることから、だらだらと中毒的にたまにやってしまうプレイヤーが少なくありません。私もその一人です。

今、囲碁界にとってもっとも大事なことが、年齢や性別に幅広くファンを増やすことだとすれば、囲碁をもっとカジュアルに出来るようにすべきだと思います。一局は、15分で打てないといけません。

なぜ、それが大事かというと、カウンターストライクはFPSの中でもっとも賞金が高いのですが(トッププロの給与は月300万円ほど、賞金は棋聖戦以上です)、海外のオフライン大会では、まるで映画でも見るかのように子供連れが来ていたり、カップルがいちゃついてる光景も見られるのですが、日本のオフライン大会は実際にプレイしている人の同窓会レベルです。このことから、上が伸びるには、底が幅広くなる必要があると言えます。囲碁のオフライン大会というと公開対局ですが、ここに集まってるのは老人ばかりです。これで良いわけがありません。

以前に、なにかの対局の大判解説場に大竹英雄日本棋院元理事(現顧問)がやってきて、観客の老人たちに「これからもどうぞよろしくお願いします」と深々を頭を下げていたのを見て、日本棋院の現状の大変さをうかがい知るとともに、悲しくなりました。目の前の小さな確定地をとって、大局を逃しているように見えました。

さて、9路盤であれば、大抵の場合10分か15分くらいで出来るため、オーバーウォッチよりも気楽です。仕事の合間のリフレッシュに打つことだって出来るようになります。なぜ13路盤ではいけないのかですが、単に9路盤の方がよりコンパクトだからです。13路盤の方が布石要素が強くなって19路盤に近くなりますから、そういう意味では13路盤というのも良いと思います。言いたいことは、19路盤は時間が長すぎるということです。

より小さな碁盤での対局を流行らせることが囲碁の普及に繋がるという理念は他の人も持っていて、以下のプロジェクトでは政光順三という方が13路盤でのトーナメントを開きました。私も少額ながら寄付させていただいた記憶があります。

超一流棋士による囲碁13路トーナメント戦を開催したい - クラウドファンディング Readyfor (レディーフォー)

しかしそこから続いていないのが現実です。この方はさらに、9路盤をおしゃれにして、バーなどに行くいけすかないクズ野郎おしゃれな人間にリーチしようと試みたこともあります。これがうまく行ってるかは知らないのですが、理念としては共感します。

新デザイン「GO ARK」で「囲碁」のイメージを一新 - クラウドファンディング Readyfor (レディーフォー)

プロの中でも、9路盤を流行らそうという人はいて、安斎七段は9路盤の攻略本を書いています。ちなみに私は購入して、今読んでいます。配信で囲碁クエストをやってみたいのと、リスナーと9路盤を勝負するライブがあってもいいような気がします。

9路盤は詰碁要素が強く、私が続けている寝る前の詰碁とのシナジーも期待出来ます。

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実際、ゲームとしては、囲碁クエストという9路・13路のみのネットゲームが存在していますが、やはり、19路から見ると遊びと見られているのが現状です。なので、日本棋院としては、この機に乗じて、19路のトーナメントと別に9路や13路のトーナメントも積極的に開いたらどうかと思います。そちらの方がファンが多いのだから、賞金を出すスポンサーもとりやすくなるでしょう。

比較的に、片手間に棋力上達出来るというのが9路盤であり、あとはそれに価値をつけるのが日本棋院の仕事です。9路名人戦(1000万円)などが開かれたら、9路から裾野を広げることが出来るのではないでしょうか?9路の地位向上にリソースを割いてほしいものです。

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