おれが中学受験をしたのが1997年のこと。 あの二月戦争からおよそ25年、 ふと山から降りてきて見てみると、中学受験の景色はだいぶ変わっていた。
まず、塾はSAPIX一強。
これは当時は予想出来ないことだった。
当時は神童ルシファー率いる最強の日能研軍団も、
今では見る影もない。
早稲田アカデミーなんてものは、存在していたかすら記憶にない。
調べてみると、ちょうど1997年に、四谷大塚と提携を始めたようだ。
SAPIXの隆盛に伴って Aタイプの難関校である聖光が偏差値を伸ばし、神奈川では一位になった。 当時は開成と並ぶ偏差値を誇っていた伝統校の栄光は二位に転落。
この栄光がどうやら、 おれの知っている栄光とはずいぶんと変わってしまったようなのだ。
中学受験の掲示板などで調べてみると、 栄光の入試問題は天才を選抜しているということになっている。
栄光学園の入試問題は天才型の生徒を集める、という意見があるようです。
開成、筑駒、灘と比べても同等かそれ以上の難易度です。
http://chujukatekyo.blog52.fc2.com/blog-entry-247.html
この天才評価がおれの記憶と全く整合しない。
おれの記憶の中では、栄光の問題はふつうですごく簡単。 浅野に毛が生えた程度。 問題の難易度も合格可能性も、麻布の方が圧倒的に難しかった。 ということになっている。
算数についても、特に難しいと感じた記憶がない。 算数単体でいっても、麻布の方が難しかった。 麻布は国社もめちゃくちゃに難しいから、トータルで合格点を出すのは、 最終的にも丁半博打だったが、 栄光についてはおれの中では、100パーセント受かる自信があった。 実際に本番の試験でも圧倒的な得点率だったと思っている。 実際の開示は知らないが、試験終了時には9割の手応えがあった。 (栄光学園の方は、もしおれの得点が残っていたらメールでこっそり教えて下さい)
おかしな話だ。 おれの頭は良い方だとは思うが、 天才問題をそんなに簡単に解けるほど良いとも思っていない。
では栄光の算数はいつからか突然難化したのだろうか? と思ってネットを調べてみると答えが見つかった。
ご存知の通り、栄光学園の算数の入試問題は首都圏トップの難しさです。2005年から難しくなりました。
https://tanq.tai-san.net/index.php?QBlog-20150327-2
なるほど。 おれはご存じないのでご存じの通りと言われてもピンとは来ないが、 2005年から突然難化したようだ。
悔しくなってきた。 おれが受けて合格した栄光は、ぬるい栄光だったのだ。 2005年以降の栄光合格者は天才認定されるが、 1997年の合格者はそうではなくただのガリ勉野郎かも知れない。 なぜ、1997年から算数を難化させなかったのか。 栄光は大船の坂の上にある意地の悪い学校だ。