引っ越し作業が残すところ、転居届だけになった。
転居届には大きく2つの方法がある。 1つはe転居、もう1つは紙転居である。
いずれの場合も、 本人が旧住居に住んでいることを確認するために 本人確認資料の提出が必要であり、 マイナンバーカードを使うことが出来る。
転居届で住所の入力をミスった場合、 おれへの郵便物が別のところに送られてしまうことになるから、 手書きは論外である。 手書きでは、読み間違いがあるからだ。 住所はほとんどの部分が郵便番号から決まるため 実際には郵便番号が正しく読めるならばあとは 部屋番号くらいしか必要な情報量はない。 しかし、それらの数字ですら、読み間違えることはある。
従って、最善は電子的に入力することである。 もちろんこれとて、入力は間違いはあり得るが、限りなくゼロに近いし、 何より自己責任で済む。
そのためにおれはまずe転居を使おうとした。 まず郵便局にアカウントを作り、 e転居の必要事項を埋めていく。 そして、最後に本人確認資料をアップロードするのだが、 マイナンバーカードを選択した場合、 これをスマホで読み取ることになる。 ウェブ画面からQRコードが提示されるので、 そこから起動される画面で、マイナンバーカードを読み取るのだ。
しかし、全く読み取れない。 何度やっても、読み取りに成功しない。 どうも、光の反射があるから読み取れないと言っているので、 机の上に置いて上から撮る方式はやめて、 黄色のカーテンの方に向けてプリクラみたいに撮影したらなぜか成功した。 これは本当にテストされてるんだろうか? たぶん、してないと思う。
よし、これで転居届は終わりだと思ったが、 そううまくは行かなかった。 e-mailで「本人確認に失敗しました」と回答が来た。 おそらく、OCRか何かで自動的に読み取ることに失敗したのだろうと思って、 フォールバック先の目視による読み取りを依頼したが、これがなぜか失敗した。
意味が全くわからない。 なぜ失敗したのかも教えてくれないのはなぜでしょう。 答えは、目視による読み取りなんかしてないからです。 その証拠に、依頼してから2分で返事が来た。 そんなわけがなかろうが。
マイナンバーカードのカバーをつけてたのが悪いのかと思って 再度トライしようとしたら、なぜかアカウントがロックされていて、 e転居のページにアクセスしても、 このページは見つかりません的な変なページに飛ばされるようになった。 おれは何か悪いことをしたんだろうか?
仕方なく、郵便局に行き紙郵便の用紙をとってきて、 そこに出来るだけ読みやすいように書いて、 マイナンバーカードのコピーを貼り付けて郵便ポストに投函した。
おれの心は穏やかでない。 e転居とかいうクソシステムに対する怒りからではない。 不安なのだ。
もし、提出した転居届が再度ハネられたらどうするのだろうか? 引っ越したあとに、旧住所を証明することは出来なくなる。 なぜかというと、マイナンバーカードも保険証も住所が更新されてしまうからだ。 そうしたら、おれはどうやって、転居届を再提出するのだろうか? そしてその間、おれへの郵便物はどうなるのか?
逆に、転居届が成功したことはどうやって知ればいいのだろうか? 旧住所に対して成功しましたよと手紙が来るのだろうか? そもそもだが、転送が成功したことを観測出来ることは理論上保証されているんだろうか? 仮におかしなところに送られてしまった場合、 おれの新住所には手紙が送られてこないのであるが、 送られてこないだけなのだから、それがおかしなところに送られてしまったことも 知ることは出来ないだろう。 この場合、おれは何の情報も得ることは出来ない。
そもそも論として、郵便がロストしたらどうするのだろうか? その場合も、同様におれからは成功も失敗も観測することが出来ない。
どうして、失敗することを前提にシステムを設計することが出来ないのだろうか? 頭がおかしいとしか思えない。 障害者にコードを書かせるな。
そもそもだが、 転居したことはマイナンバーカードを通して 確認することが出来る。 役所での転出届は、マイナンバーカードを使って行っており、 明らかにマイナンバーカードには、転出情報が記録されている。
もっと遡って転送システムそのものについて、どうしてこんな馬鹿げた仕組みなんだろうか。 郵便自体をマイナンバーカードと結びつければ、 そこから知ることが出来る現在の住所に送ればいいだけではないか。 そもそも、引っ越しごとに転居届を出して、転送する必要すらない。
頭の悪い人間にこんな大事なシステムの設計をさせないでほしい。