頭に浮かんでしまったので記録のために書くけど、 あくまで自分の持ってる情報から論理的に推論しているだけであって、確信はない。 なので、ファンタジーとして読んでほしい。
疑問は、「今α株向けのワクチンを打ってる人が次にδ株向けのワクチンを打つと、ADE を誘発するのではないか?」だ。
まず、おれが持ってるADEに関わる情報を列挙する。
- ファイザーのワクチンもモデルナのワクチンも、全長S蛋白を含む。これはRBDとNTDを含む
- ファイザーは過去に、RBDのみをコードしたBNT162b1を実験したが、小規模治験の結果がよくなかった。そのため、全長を含むBNT162b2をリリースした
- 大阪大学荒瀬研の研究より、NTDに対する抗体が作られた場合、RBDに対する抗体が少なくなった場合に、ADEを起こす
- 変異は、感染に関わるRBDに対して起こるものである
これに加えて、
- (用語の定義)3について、X株のRBDをX-RBDと呼び、X-RBD抗体が十分にあり、ADEを起こさない場合をX均衡と呼ぶことにし、そうでない場合をX不均衡と呼ぶことにする
- (仮定)4について、NTDは変異しないと仮定する
- (仮定)RBD抗体が減衰することは明らかだが、NTD抗体が減衰するかは知らない。そこで、ADEは起こらない派に有利なように、同様に減衰すると仮定する
- (仮定)RBD抗体は型が違うRBDに対して効力が小さい。α向けのワクチンがδの予防にも多少は効いてると仮定して、0.5がけとする
をする。
この上で、α株向けワクチンを打って、しばらく経ったあとにδ株のワクチンを打ったとするとどうなるか思考実験をしよう。
- α株向けワクチンを打つと、α-RBD抗体が10、NTD抗体が10になる。この時点ではα均衡である
- しばらく時間が経ち、α-RBD抗体が2, NTD抗体が2となる。この時点でもα均衡は保たれている
- δ株向けワクチンを打つと、δ-RBD抗体が10、NTD抗体については+10されるか、あるいは10になる。ここではADEは起こらない派に有利なように10になるとする。すると、α-RBD抗体が2、δ-RBD抗体が10、NTD抗体が10となる
- ここでα株のウイルスに攻撃されるとすると、αの世界ではα-RBD抗体が2、NTD抗体が10であり、δ-RBD抗体が感染防御に効いたとしても、RBD抗体はトータルで7しかない。この時点でα不均衡になり、ADEを起こす
この問題を回避するためには、δ株向けワクチンとしてRBDだけを含むものを開発することが直接解となるが、 ファイザーはRBDのみのワクチンの開発に失敗しているので、難しいと考えられる。
どうかな?