国立は私立より学費が安く不公平だという謎の意見がある。 最近では、慶應の学長(幼稚舎から慶應のボン)が、国立と私立の学費の差が 正当な競争を妨げているとかいう、何を言ってるのかさっぱりわからないことも言い出してきたので、 やっぱり私立は馬鹿の行くところなんだなと確信した。
別に、国立と私立が競争をする必要はない。 ロクに勉強せずに私立に行きたいやつは高い金を払って私立に行けばいいし、 とにかく学費を安く抑えたいから国立に行きたいというやつは 必死に勉強して国立に行けばいいだけの話だ。 ちゃんと競争が成り立っている。
国立大学は通学圏内に個数が少なく、地元の国立大学に受からない場合は 私立に行かなければいけないため、その地域において国立と私立の学費は同じであるべきである とトンチキなことを言い出すかも知れないが、これも間違っている。
特に理系の場合、地方で一人暮らしをさせて国立大学に行かせた方が、 私立大学に通わせるよりはるかに安い。
例えば、首都圏に住んでいる人が 京大の理系に行く場合と、早慶の理系に行く場合を比較しよう。
学校 | 学費 | 生活費 | 交通費 |
---|---|---|---|
京大 | 50000 | 80000 | 0 |
早慶 | 150000 | A | B |
おれが京都で住んでいたマンションは 水道込で家賃が4万円、部屋も小さかったので電気とガスで1万も行ってなかっただろう。 そこに食費が入ってもせいぜい8万円。 仕送りは10万円で、そこから参考書を買うお金なども捻出していた。 途中で家庭教師などをしていた時期もあるが、そのお金は筋トレとか趣味に使うためだった。 大学までは自転車だから、交通費は0だ。 だから合計で13万円とする。
一方で早慶はどうだろうか。 学費は年間で200万近くなっている。これを一ヶ月に換算すると15か16くらいだ。 この時点で京大に行くより高いのだが、 実家に住むとしても生活費もタダではない。 例えば今おれはこどおじ費として月5万を払っているから、 Aは例えば5万円としよう。 続いてBだが、これは住む場所と大学に依る。 例えば日吉キャンパスに通う場合でも、横浜近辺に住んでいても乗り換えがあれば片道500円。 もっと遠くに住んでいれば1000円ということにもなりかねない。 おれは部活や研究で土日も大学に行ってたから、500円の場合でも月に30000円かかることになる。 だから、A5万B3万とした場合、結局京大の生活費と相殺してしまうことになるのだ。 この場合、月23万円、年間で276万円、4年で1000万コースになる。
だから、学費のことが問題なのであれば、 一人暮らししてでも国立大学に行けばよく、 むしろ少子化の時代、私立大学は不要と言ってもいいくらいなのだ。
しかも、大学生の楽しみといえばセックスだが、双方が実家暮らしの場合は、 ホテル代もかかることになる。 しかも、事を為したあとに一緒にスーパーに買い物に行って夕食を食べるという 経験も出来ないわけだから、その機会損失は計り知れない。 お前らは、馬鹿か?
そもそも、私立の頂点である早慶の理工ですら、入学者の学力でいえばそれほど高くはない。 当たり前だが東大京大東工大他、その他旧帝大や筑波や千葉あたりでも早慶理工を蹴るのが現状である。 これは、早慶理工に結果進学する学生のレベルが低いことがわかっているからと、 上に言ったように学費の面でも相当な差があるからである。 だから、早慶理工というのはいいとこ筑波とか千葉とか、そこらへんのレベルと同じと考えるべきであり、 そもそもそれだったら、京大とは言わずとも北大にでも行ってしまった方がいい。 昨日、麻布高校での北大人気について書いたが、 こういった事情もあると思われる。
麻布高校の北大人気を考察する早慶がゴミとは言わない。 実際におれの友人でも早慶に行った人はいるし、 悪くいうつもりはない。 東大など最難関国立大学に挑んだ結果、落ちてしまい、 泣く泣く早慶というケースも、麻布のような進学校においては少なくない。 麻布の友人が、東大文2に落ちてしまい、泣きながら電話をかけてきたことを思い出す。 そういう人間も実際、たくさんいる。 また、中1から鉄緑に通ったが東大に現役合格出来なかった別のやつは、 しばらく発狂してたという。 おれは東大は受けなかったのでよくわからないが、東大受験というのはそういう世界のようだ。
ただ、早慶はじめ私立を国立と学費を同じくして競争させることに意味があるかというと、それは間違いなくない。 4年で1000万払うことが出来る人は自宅から早慶に通えばいいし、 そうでない人は、京大と言わずとも、地方の国立大学に行けばいいだけの話だ。
実際、おれの実家は裕福ではないから、早慶進学は許されていなかった。 これは、中高と私立に通ったということもあったと思う。 だから、早慶理工は一応、競馬でいう叩きみたいな感覚で受けたので、赤本は買わなかった。 別に落ちても構わないし、トンチキ問題に混乱してしまい実際に落ちた。 それでも案外行けたかなという感じではあったので、 対策すればきっと受かったとは思うが、本番に向けて気持ちを高めるのが目的だったので別に良かったのだ。 おれのように、私立は受けても叩き目的か、あるいはそもそも受けないという人は、 トップレベルの進学校の生徒の中では結構いる。
別の分野に置き換えて考えればいいのだ。 慶應の学長は、「美容整形は無償化すべきだ。なぜならば、生まれつき顔が良い人と悪い人がいるのは 不公平であり、不公平の是正のためには美容整形を無償で受けられるよういしなければいけない」 とでもいうつもりだろうか。 同じことを言ってるのだ。 ジムに通って地道に筋トレをして自分に自信をつけることが国立に行くことだとすれば、 高い金を払って美容整形をして、かりそめの自信をつけることが私立に行くということになる (特に、専願とか指定校は)。
みなさんはどちらがいいと思うだろうが。 答えは明らかだ。ジムに行け。