二月の勝者のドラマが始まった。 おれはテレビは持ってないからTVerで見た。 TVerはたまに役に立つ。
視聴者は、おれのような正真正銘の二月の勝者か、中学受験の外野だろう。 二月の敗者は心の傷が痛むからドラマを見ることは出来ないらしい。 確かに二月の勝者はそれなりにリアリティのあるドラマだと思う。だからだろう。 敗北者の気持ちはわからないが、そのメカニズム自体は理解出来る。
ツイッターで検索すると、外野どもは 御三家についてやたら興味を持ったようだった。
二月の勝者の中では、勝者の象徴としてこの「御三家」というバズワードが力強く連呼される。 御三家というのは、男子でいうと開成麻布武蔵、女子でいうと桜蔭女子学院雙葉のことだ。 その他、おちゃらけているが神奈川御三家なんてものもある。 【中学受験】神奈川御三家
中学受験では御三家は別格だ。 まさに王様。
塾の実績は御三家の合格実績によって評価される。 世の中、開成何人麻布何人武蔵何人、これしか見ていない。 渋幕に何人受かってるからこの塾に決めますという親は存在しない。 御三家が絶対だ。 小さな塾でも、麻布1名とあれば、「その中で一番になれば麻布に行ける!」と思ったバカ親が ネギを背負ってやってくる。
だから、二月の勝者という言葉についておれが思っていることは、 「御三家に受からなきゃ敗者」だ。 たぶん以前、中学受験はみんなが勝者なんだみたいな綺麗事を言った気がするが、撤回する。御三家+筑駒以外は敗者だ。
おれ自身も麻布か栄光に受からなければ、私立に進学させないと言われて追い込まれた。 3日目には浅野を受ける予定だったが、浅野ごときではわざわざ高い費用を払って私立に行かせる意味はないから、進学させないということだ。 浅野に行くくらいならもともと自殺するつもりだったが、その追い詰められた状況がおれを発奮させた。だからおれは麻布にも栄光にも合格出来た。 御三家 or dieで追い込めば、誰だって御三家に合格出来る。おすすめだ。
だからだろう。「凡人こそ中学受験をするべきだ」の詭弁に腹が立つのは。
中学受験をするのは首都圏で上位20%。 御三家に受かるのはそのうち4%。つまり、上位1%未満の世界。 確かに難しいかも知れない。多少の才能も必要だろう。 あらゆる選抜試験で全戦全勝し、トップクラスに残る必要がある。 よほどの天才を除けば、寝る時間以外はずっと勉強しなければならない。
だから何なんだ?だとしても、御三家から逃げることは許さない。
桜花ゼミナールの中のΩクラスは御三家志望クラス、Aクラスは中堅校、Rクラスはおちゃらけ校。 このうちΩクラス以外は、そもそも勝負する気すらないということだ。島津父の言葉を借りるならば絶望的にゴミだ。 だったら最初から、存在する意味はない。 まるみ以外、意味ない。
おれの定義では、御三家を勝負すらしないのは中学受験をしたとは言わない。 御三家を勝負して合格したやつだけが二月の勝者だ。 次に偉いのは、御三家を勝負したけど負けてしまったやつらだ。敗者ではあるがナイストライといっていい。 御三家はそう甘くない。それに、勝負は時の運もある。
問題は実際には中学受験をしていないのに中学受験をした気になって、 二月の勝者ヅラしてドラマを見てニヤニヤしてるやつらだ。 御三家から逃げたお前らにその権利はない。御三家から逃げるな。