非常に気分の良い記事だ。
採用試験で、中学受験の算数の問題を解かせるといいですよ。麻布とか武蔵とか。それで頭の良さが一発で分かります。中学受験の問題ってむちゃくちゃ難しいんですけど、頭の良い人なら方程式を使わなくても解けるんです。なぜ算数かというと、やっぱり算数、つまり数学が得意な人を採ったほうがいいから。論理的な思考ができる人は、信頼できるんですよ。
成毛眞というのは日本マイクロソフトの二代目社長だ。初代は古川亨で、麻布高校出身。
この引用部分を見て、気づいたことがあるだろう。「なぜ、開成ではなく麻布と武蔵なのか」 開成が東大合格者数ナンバーワンで、この二校より偏差値も高いはずだ。だったら、開成の算数を解かせれば良いというのが自然だ。 だから、ここで麻布と武蔵を挙げている点が逆に、成毛氏が正しい理解に基づいて発言をしていることを意味している。
開成の算数では頭の良さ(いわゆる地頭)を測ることが出来ない。 開成の算数は、処理能力が高い子が努力を重ねることにより克服することが出来てしまうからだ。 一方で麻布や武蔵の問題は、別次元の論理的思考力を必要とすることがある。 秀才の開成、鬼才の麻布などと言われることもある。
声の教育社という、中学受験関連の本を作っている出版社があるが、 その麻布の問題について「極めて論理的」と講評している。 麻布出身者は、論理的思考力の鬼だ。
これは、中学受験業界では有名な事実だ。 極めて論理的な問題を解けるかどうかを見れば、その人間が論理的思考力があるかどうか分かると言ってるだけなので、 ここまで読めば成毛氏の言ってることが当たり前に感じられてきたのではないか。
一方で開成の問題は本当に面白くない。これが、おれが開成とサピックスが嫌いな理由でもある。 開成が嫌い、サピックスは日本の癌という記事は過去に書いたから、おれの主張が気になる人は読んでみてほしい。
こういう記事がもっと出て、中学受験で麻布や武蔵を突破した地頭の良い人間の市場価値がもっと高まれば良いと思う。 これは決して、おれをもっと評価しろというのではない。(過去に 中学受験が過熱すればおれは結婚相手が見つかる理論 という記事は書いたが) 日本の社会では中学受験エリートの地頭を活かしきれておらず、 損をしていると憂いているのだ。 日本がこの先、国際競争力を上げていくためには中学受験エリートの活用が 最大のテーマとなるだろう。
そのためには何が課題だろうか。 公立出身の凡人は、中学受験エリートの足を引っ張らぬことだ。 彼らは、凡人の100倍頭が良い。 自由に発想させ、時に適切な刺激を与えることで、 凡人では決してたどり着かない成果にたどり着くことが出来る。
日本という国は、技術立国としてしか世界と戦うことが出来ない宿命にある。 今回のような記事がきっかけとなり、 日本という国が 中学受験エリートを中心とした真に創造的な社会に向けて進んでいくことを願っている。 中学受験エリートの地頭が十分に生かされれば、また日本が世界で一番裕福な国なれる日がきっと来るに違いない。 Make Japan Great Again!!!