この前、「麻布 向いてる子」というキーワードで飛んでくる人がいることに注目して 麻布中学に合格する子はどういう子なのか。私の当時の得点戦略を振り返る を書いてみたわけですが、コンスタントに読まれているようです。 ありがとうございます。また別の観点でもどういう子が麻布に向いてるかは書いてみたいと思います。
ところで、麻布が絡んだ他の検索キーワードでは他に「麻布 いじめ」があります。 麻布がいじめで有名だなんてことはないはずだと思ってさらに詳しく調べると、 麻布で起こった「ゲロ煮込み鍋事件」というものがいじめと認識されていて、このような不名誉な検索がされていることがわかりました。
というわけで、再び検索キーワードにダイレクトに回答するため、この記事では、
- ゲロ煮込み鍋事件について麻布OBの私がどう思うか
- 麻布にいじめはあるのか
について書こうと思います。
もっとも、 麻布を志望校としている子が、 いじめがあるとわかったから麻布はやめとこともならんと思いますし、 逆もないとは思いますが。そういう次元の問題ではないため。
ゲロ煮込み鍋事件
事件の詳細
Tohjiというラッパーが麻布高校在学中に起こした事件です。 運動会実行委員会のメンバーがゲロを煮込んだ鍋を他部門の部門員に食べさせたことや、 その他細かな余罪が明らかになり、 その年の運動会が中止に追い込まれました。
結果として、主犯のTohjiは退学に追い込まれています。 Tohjiはその後、武蔵野美術大学に入学しています。 実家が太いから別にサラリーマンとして働かんでもええという人が多いからだと思いますが、 麻布から美術方面に進む人は毎年一定数います。
どう思うか
麻布というのは、頭が良い子が集まる場所なので、 中には変な人もいますし、犯罪を犯す人もいるのですが、 退学にまでなった人というのは、自分の記憶には暴力団に入り浸っていた 安部譲二くらいしかないのですが、 wikiを見るとその他にもちらほらいるようです。
麻布は「めんどう見のよい学校」と言われています。 このめんどう見の良さというのは中学受験の答案チェックの時から表れていて、 この本によると、 算数の答案では答えが間違っている場合であっても、その子がどこまでたどり着いていたものなのか、 途中計算の過程を丹念に解読して部分点を与えるようなところです。
そういう学校なので、 かなり悪いことをしていても退学にまでなる人というのはなかなかいなくて (停学とかはたまにいる) 、停学処分にされるなどして色々とめんどくさくなって精算するために自分から退学したという可能性もあるかなと思います。
外の不良グループに属していたり、校内で暴力事件を起こしたり、その他は窃盗などをする人もいますが、 当時の自分は、そんなことをしている場合にも、それなりに理由や背景があるように思っていました。
あるいは、それなりに難しい試験を突破してきたことは間違いないのと、 一定の育ちの良さはあるため、 将来のことも考えて一線を超えるようなことは決してしないだろうという安心感はありました。 実際、悪いことをしていた人が今はまじめに弁護士をしているなどという話も聞きます。
しかし、ゲロを煮込んで他人に食べさせるというのは、 はっきり言って何も面白くなくて、三流の発想。 誰でも出来るし、誰でも思いつく。 それこそ、この記事を書いている時に、朝日大学という偏差値35くらいの大学の学生が ホームレスに石を投げて殺害したというニュースがありましたが、 そのくらいのレベルだなぁと思いました。
実際は知りませんが、 きっと、ラッパーとしても芸術家としても三流なんでしょうと想像します。 調査のために聴こうとも思いましたが、それにも値しないなと思いました。
既に他の若い年齢のラッパーとは別格のように扱われるTohjiの活躍には期待が集まっています。 カリスマ性と独創性に溢れるラッパー「Tohji」のこれからに注目していきましょう ♡
ということのようですが。
なので、卒業生として相応しくないとして 学校側から見捨てられて強制的に退学させられたとしても、 そんなに違和感はないです。
結論としては、ゲロ煮込み鍋事件は、 いじめでもなんでもなく、ただ麻布に相応しくない異常者がやった「面白くないこと」 というのが私の理解です。
いじめはあるのか?
麻布には深刻なレベルのいじめはありません。たぶんこれは御三家レベルの難関校一般に共通することだと思います。
ちょうど、二月の勝者で女子学院の子が「自分の学校にいじめはあるか」という問いに対して答えてるシーンがあったので引用しますが、
実際に、難関校に在籍する学生は、自分に対して強い興味があるため、相対的に他人に対して興味が薄くなりますし、 そもそも育ちが良かったり、難関試験を突破してきた自分の人生に価値があると思っているためくだらないことで人生を棒に振ろうとはしません。 (いわゆる無敵の人の逆) だから、からかうレベルのいじめは存在しますが、殺してやろうレベルのいじめは起こらないのだと思います。
麻布生は徒歩圏内に住んでる子というのは稀で、ほとんどは通勤時間に電車通学をしてくるわけですが、 中には電車に乗ってる間に我慢が出来ず、うんこを漏らしてしまった同級生がいました。 ふつうの学校なら一生からかわれるものだと思いますが、一瞬だけ笑われただけで、その後なかったことになってました。 (むしろ、他の同級生がうんこと呼ばれていましたが、それがどういう理由だったかもはやわかりません) これについては、みんな電車通学は経験しているわけですし、理解があったということは言えると思いますが、 この「お互いに理解がある」というのが大事なポイントで、 一定の学力レベルがあって、お互いに理解し合えるというのが平和をもたらしている理由なのかなと思います。
私立中学一般に、ある程度の家庭環境の子しか入ってこないことによる安心感はあると思いますが、 難関校では、それに加えてお互いの能力に対しても信頼感が生まれるため、 進学実績を抜きにして思春期の健全な人格形成を目的にしたとしても、 やはり出来ることならばなるべく難関校を目指すのがよいだろうと私は思います。